〜何してんのー!?オレもまぜろー!!」

なんて言って私の方に向かってくる田島
この元気で無邪気な君が一生懸命になってるところなんて見たこともなかったのに


一瞬の響きで




今日はたまたま友達との用でグラウンドに来ている。
カキーンという金属音の軽快な音を響かせながらの野球部の練習。
グラウンドと学校が離れている分、練習風景を見る機会が少ないけど
私はそのバットから響く音が好き。

ふとそのいい音を響かせる方を見てみればなんと田島。
いつもとのギャップのせいか、ちょっとかっこよく見えてしまう
普段野球と無関係な私が田島と野球の話なんてすることなく、
あのニコニコした田島しか知らない私は驚くばかりだった。

いいほど球を打ったのか、私に気付いた田島がこっちにやってきた。

「あれー?こんなとこにいんのめずらしいじゃん!」
「え!?うん。友達の用事についてきたの。にしても田島は野球部かー。
似合うね!楽しい?野球」
「…オウ!!楽しくねーとやってねーし!しかもオレ、ここの4番だし!
やりたくねーっつってもみんながやめさせてくれねーよ!」
唐突な質問にも答えてくれた田島は本当に楽しそうだった。
「頼られてるねー!西浦の4番!!練習頑張ってね」

田島は「オウ!」と返事をし、練習に戻っていった。
そのころちょうど友達の用事が終ったのか、私に帰るよ、と言ってきた。
わかったー。と友達の方へ向かっていたら後ろから

−!!ちょっとまって!」
「田島!?どうしたの?」
「いやー。言うの忘れててね、で!ウチこんど試合あんだ!
それにも来ねーかなと思ってさ…つか来て!」

イキナリ言われたその言葉に少し戸惑いはしたけど
ちょっとおもしろそうだと思い、その誘いに行く、という返事をした。
「うん。行くよ!田島の活躍期待してるね」
「おっしゃー!オレ、のためにゲンミツに打つからちゃんとみとけよー!!」

そういった田島の笑顔にドキッとした。
当日の試合の間、私はずっと田島から目を離せなかった。
そして、カッコイイと思ってしまったことは田島にはナイショ

(まだまだ小さな想いだけどこれから必ず花開く)

―後日―
−?試合見に来た?」
「行ったよ!すごい面白かった!」
「だろー!でさ、俺の活躍ちゃんと見た!?」
「うん!田島すごくカッコよかった!!」
素直に自分の口から言葉が出た。
もう自覚するしかないかな?私は田島が好き。
田島に恋してます。