夢のある話。現実とはかけ離れてるけど、実際には起こりえないけど
少しくらい夢見てたっていいじゃない。


「ねー隆也、おとぎ話ってあるでしょ?わたし、1回だけでも
そのおとぎ話の中に入ってみたいの!」
「1回とか入ってみたいとかじゃなくてさ、できねぇじゃん」
「…そんな夢のないこと言わないでよ隆也」


こんな夢のある話してるのに!って隆也はただ聞き流すだけ。
わたしだってちょっとは夢見すぎかなって思う。だけどわたしの夢なんだもん。
すこしは分かってもらいたいじゃん。


「で、なんなんだがおとぎ話でやりたい役はよ」
「えっとねー。お姫様!」
「お姫様ぁ?お前にできんのかよ」
「うーんとね、ちょっと違うんだ。わたしがなりたいお姫様は、
ずっとねむり続けてるの。ずーっと眠り続けてて、起きるためには危険なお城までの道を
勇者がこなくちゃいけないの。そして、お姫様が目を覚ますのはその勇者のキスなの。
どう?素敵でしょ?」
「ふ〜んそうかよ。でも、がその物語だったりお姫様になることは一生ねーよ」


そう言うと隆也はぐいっと私の肩を引き寄せ、お前ちょっとは考えろよ。と
ボソリと言い強引だけど優しいキスわたしの口に重ねた。


「た、かや…?なにしたの?」
「え?お前が言う勇者からの目覚めのキス?」
「なん…で?」
「わかってねぇな。がその姫様みたいにずっとねむり続けることも
俺がいる限り何もできねんだよ」

―――オレがいればお前に何回でもキスするし、んな眠り続けるような人生には
してやんねーから




めろ、


そしてきてくれ

(2008...9/2 阿部阿部ユカイ!ステキ企画へ提出。ありがとうございました!)